「育児を前向きに楽しむ!」NPO法人 スーパーダディ協会  代表理事 髙橋一晃さん インタビュー 

このサイトを立ち上げてまもない頃、ある方から、スーパーダディ協会(以下SDA)という団体があることを聞いて、さっそくホームページをのぞいてみると、「育児を前向きに楽しむ」「仕事と育児を両立する」パパ集団と書かれてあった。日本でも、こういう男たちが出てきたぞ!北欧ではないけれど、北欧的だから、ぜひ、一度、話が聞いて見たいと思い、連絡したところ、今回、仕事と育児で忙しいなか、SDAの代表理事であり、TBSテレビで制作プロデューサーとして活躍されている髙橋一晃さんがインタビューを快諾してくださり、お話を伺うことができた。

 

ー さっそくですが、「右手に仕事、左手に子育て!」を掲げるスーパーダディ協会は、とても北欧的な感じもしますが、この協会を立ち上げようと思ったきっかけ、理由を教えてください。

もともと、僕は、「子育てをしない派」と言うより「どうしていいかわからない派」だったんです。仕事も忙しかったというのもあったんですが、どうしていいかもわからなかったので、何もできなかった。出産後少し経ってから、妻と将来のことや仕事の復帰のことなど色々話しているうちに、「僕は、息子と結婚したのではなく、妻と結婚したんだ。“一番”大切にするものは、子どもではなく妻。妻の人生ももっと大切にしなきゃいけない。」と思ったのがSDA立ち上げのきっかけです。夫である自分が、積極的に育児、家事をこなして、妻が自分の時間を作れるようにしようと決意したのです。だから、スーパーダディになろうと思ったのも、子どもや国とかのためということではなく、妻のためでした。そんな妻から、「世の中には、ママ会はいっぱいあるけれど、仕事も育児も両立しているかっこいいパパたちの集まりはないから作ってみれば」と背中を押されて、SDAの設立にいたりました。

 ちなみに、スーパーダディ協会は、みんなで仕事も育児も家事をもこなすスーパーなお父さんをあくまで「目指そうぜ!」という心意気の男性が集まっている団体で、すでに「スーパーなダディ」になっている人は、誰もいないと思います。“スーパーダディ”とは、気持ちを高める合言葉です。

ー イクメンとスーパーダディはどう違うんですか?

子供ができたといっても、やっぱり、仕事もバリバリ続けていきたいし、育児も積極的にこなしていきたいから、スーパーマンのように、スーパーな父親でありたいと思ったんです。だから、スーパーダディと名付けることにしました。時代と逆行していると言われるかもしれないけれど、僕は、男性も女性もお互い得意分野を尊重しながらバリバリ働きながら、育児をしようと思っているところがあります。仕事も育児も家事も夫婦で完全分業したいと思っています。だから、育児休暇というより、「仕事」をしながら育児や家事をサポートしてくれるシッター補助金制度や会社内保育スペース設置などの政策をうちだしてくれた方が嬉しいです。スーパーダディのメンバーが集まると、いつもそんな話をしています。育児休暇を取ると、やっぱり仕事がおろそかになってしまうし、ブランクができてしまうと思うところがあって、男性として一家の主でいてほしいと考える妻もそれをのぞんでいなかった。だから、自分も育児休暇は、とらなかったです。考えがちょっと古いですかね。

(C)SDA

ースーパーダディとして、仕事と育児、家事をこなしていくうえで、大変だと思うこと、苦労する点は、どんなことですか?

仕事も妥協したくない。育児もとことん、やりたい。どっちを優先しようと悩むときがあります。例えば、運動会と仕事が重なったとき、どうしても仕事が休めないことがあるのは確かです。スーパーダディには、なりきれてないですよね、悩ましいです。

―ゆる家事ってなんですか?

男性が、前向きに家事に取り組むために、ゆるーく楽しむ家事のことです。ワインを飲みながら、靴磨きとかです。

ー 男は、家庭の中では、大黒柱としての父性や威厳を保つべきなのでしょうか?

「威厳」は、必要ないです。「威厳」というと、威張り散らしたり、偉そうに聞こえてしまうけど、やはり、僕の場合は、縁の下の力持ちのような存在で、家族を支えていきたいと思っています。自分が、家族のプロデューサーでいたいなと思っています。

ー日本の会社は、なぜ子育てなどに対してサポートする体制がないと思いますか?

少しずつではありますが、サポート体制をとろうとする企業は、増えているように思います。でも基本、日本で、40年以上経営している、いわゆる「ザ日本の企業」は、昔から働く戦士が、会社の中枢にいると思います。そういう体制を新たにつくるのは、なかなか簡単なことではないと思います。国が、男女共同参画やプレミアムフライデーなどを打ち出し、会社にも通達はあるけれど、それをなかなか実行できている会社は、今のところ、日本ではあまり多くないのではと様々な業種が集まるスーパーダディ仲間と話すとよくわかります。

ースーパーダディ協会の代表として、職場で心がけていることはありますか?

会社の雑談は、極力「子育て話」をしています。上司と、子供の話や運動会の話なんかすると盛り上がるんですよ。今までだと、ゴルフいつ行こうか?最近麻雀やってないね、みたいな話ししかなかったんですが、今では、エレベーターの中の雑談は、子育てのことが中心になっています。そういうところから、少しずつではありますが、男性の意識を変えるきっかけを自分も作っていけたらよいなとは思います。

ー もし、部下が育児という個人的な理由で仕事を休んだら、あなたは、どう対応していますか?

私自身は、「家族ファースト」であるべきだと思いますので、堂々と家族のことで休みたいと言って来てほしいです。家族の事情も知った上で、部下と接したり、シフトを組んだりできたりが、理想だと思います。これも、私の目標です。

ー以前、インタビューしたスウェーデンのお父さんが「組織として、ある役目をもっている人がいて、その人は、不可欠な存在だと思っているかもしれないけれど、事故や病気でその人がいなくても会社は、機能するようにできていなければならない。組織は、もっと、フレキシブル、流動的でないといけない。」と言っていたことを思い出しました。その点について、どう思われますか?

その通りだと思います。自分がいないとまわっていかない。私自身も古い人間なので、そういうふうに考えてしまいがちなんです。だから、なるべくどこにでも顔を出すようにしたり、絶対に休まないようにしようと。でも、本来は、一人いなくなっても、組織や自分の場合なら番組が、まわるようにしなきゃいけない。だから、他の人が、授業参観や運動会などで休んでも、まわせる組織、雰囲気を作っていかないといけないなと。今、企業で成功しているところというのは、常に、複数の人でまわせるようにしているのだと思います。特に、外国の企業なんかを見ていると感じます。日本の企業は、まだそういうところは、少ないんじゃないですか。

 

(C)SDA

ー自分の替わりがいたら、子供の運動会に行きますか?

行きますね。僕は、もう遅いかもしれないけれど、これから、20、30代の人たちくらいからは、どんどん行けるようになればいいなと思います。

ー 育児にもっと携わりたいという男性、仕事を続けていきたい女性が増えているのに、現状、会社や社会のシステムが、それに対応しきれていないと思うのですが、その点は、どう思われますか?

そこは、本当に難しいなと思っていて、今の「ザ日本の企業」みたいな会社組織は、いわゆる企業戦士として戦っていたサラリーマンの方たちが、今でも、動かしているところがあります。でも、今、時代がいっきに変わろうとしているし、変わらなきゃいけない時期にきていると思います。だから、僕らみたいな40代から50代くらいの世代が、一番意識改革していかなきゃいけないと思うし、そこにSDAの存在する価値や意義みたいなものがあればいいなと。

ー 僕が住んでいるスウェーデンでは、男が子育てをすることが当たり前で、すごいともスーパーとも言われません。日本でも、スーパーダディがスーパーでなくなり、男も女も平等に仕事と育児を両立できる社会がやってくると思いますか?

なればいいと思いますね。だからって、頑張ろうとかプレッシャーみたいに思うのではなく、僕ら「男性も、子育てや家事を楽しもう!」みたいなところから始めることが大事じゃないかなと思っていて。スウェーデンのようになるには、あと何十年かかるかわからないけれど、そういう意識改革を、僕ら、SDAが、少しづつでも推進していけたらなと思って活動しています。

話は、尽きないけれど、そろそろ、子供を迎えに行かなきゃいけない時間なので。

ーあ、そうなんですね。すいません、本日は、お忙しいところ、ありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました。

育児をすると仕事力がアップする方法、SDAが推奨する「ゆる家事」のことなどもっと詳しく知りたいビジネスマン、スーパーダディーを目指したい方は、ぜひ、髙橋さんの著書『スーパーダディ ビジネスマンの勧め』を読んでみてください!夫に家事育児もっと積極的に参加してもらいたい奥様も、手にとって、読んだらシレっとテーブルの上においておくとか、いかがでしょうか?

 

コーディネートしてくださったSDA理事の深川裕介さん、野村つかささんありがとうございました!

( インタビュー、撮影/  奥畑知佳 )

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